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私のお店の常連さん5人+小野明良がバンドを結成、とんでもないことを始めたのであります。
「小野さん、バンドでもやりましょうよ」
「いいよ。でもね、俺楽器出来ないから、俺リードヴォーカルだよ」
「―――」
「それでいいなら、やろうよ」
「―――」
「俺歌上手くないからね」
「・・・・・・・いいっすよ・・・・・・・いいっすよ、それで。。。。。」

 Niは、言い出した言葉を引っ込めるタイミングを見つけることが出来なかった。
 2006年秋の事だった。
 Niは、太鼓が叩けるという。
**********
「今ね、バンドを作ろうって話が出ているんですよ」
「そうなんですか?」
「そ、俺がリードヴォーカルなんだけど」
「僕も入れてくださいよ」
「!?・・・・・俺がリードヴォーカルなんだよ」
「いいじゃないですか」
「後悔すると思うけど」
「やりましょうやりましょう」

 Yoはアマチュアバンドのべーシスト。
 2006年暮れの話。
**********
「楽器とか出来る?」
「ギターを少し」
「よし、君はリズムギターだからね」
「????????」

 Maは、断わるすべを知らなかった。
 2007年正月も明けた頃だった。
**********
「リードギターで参加しません?」
「良いすよ。ギターはプロじゃないから」

 作曲等で生計を立てているWaは、酔った勢いで言ってしまった。
 2007年桜の花散るそんな季節。
**********
 ・・・・遂に揃ってしまったメンバー・・・・・・。

 そんなわけで・・・・・遂に始まるバンド活動。


 動き出したら後へは引かぬ
 走り出したらとまらない

 俺たちゃ、俺たちゃミュージシャン
 俺たちゃ、俺たちゃ【Wild Bunch】

 俺たちゃ、俺たちゃ【Wild Bunch】
 俺たちゃ、俺たちゃミュージシャン

**********
「バンドっすか、良いですねぇ。どんな編成でやってるんですか?」
「俺が歌で、ドラムス、リードギター、サイドギター、ベースの5人」
「・・・・・キーボードは入れないンすか?」
「ん?居れば欲しいとこだけど」
「僕、少し弾けるんですけど・・・・・」
「・・・・・・あさって練習だけど、来る?」
「いいっすか!」

 作詞等で生活をするOoは、妙な物に興味を持ってしまった。
 2007年6月、5分遅れの創設メンバー。

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2007年05月12日(土)
2007年05月17日(木)
2007年05月26日(土)
2007年05月31日(木)
2007年07月01日(日)
2007年08月

2007年05月12日(土)
 以下のメールを送信するところから、いよいよ本格的に動き出した【Wild Bunch】

★ワイルドバンチ通信★
 こんにちは、ワイルドバンチ小野です。

 長らくお待たせいたしました。
 バンド【Wild Bunch】いよいよ始動します。
 バンド名は取合えず、Wild Bunchで行きます。

 メンバーを紹介します。

☆Ma/サイドギター
☆Yo/ベース
☆Wa/リードギター
☆Ni/ドラムス
☆小野明良/歌兼雑用兼舵取り

 以上、職業も年齢も異なる5人でスタートさせたいと思います。
 他にもサポート参加希望者は居りますが、まずこのメンバーで固めたいと思っております。

 手始めに3曲
*ツイスト&シャウト(ビートルズ版)
*サムシング(ビートルズ)
*好きにならずにいられない(エルビス・ハワイ版)
から、掛りたいと思います。


【採譜及び配布】
 Niさんにお願い致します。

 参考音源、参考画像等も探して皆さんに配信してください。
 場合によって、Waさんにお願いする事もあるかと思いますが、基本的にNiさんお願い致します。

【スケジュール調整・通知】
 Yoさんにお願い致します。

 全員の職業を考慮して基本的に活動可能日は、木曜日の夜、土日祝の午後3時半位まで、になります。
 皆さん2〜3日中に、各々自分の状況、今後の分かっている範囲で構わないので木及び土日祝の予定、をYoさんにメールでお知らせして下さい。
 それを考慮して、Yoさんに日程調整、スタジオ手配をしてもらいます。
 なお、予定メールがYoさんに入らない場合、全部空いているというスタンスでYoさんには動いて頂くので、後々揉める事の無いよう予定は早め早めに入れていただくようお願い致します。

【現場】
 何が起こるかわからないのが現場です。
 そんな時機動力として、一番若いMaさんに多くを期待しておりますので宜しく。



 方向性としては、頂点にエルビスをイメージしています。

 楽曲に関してはコピーから入り、Wild Bunch版の独自のアレンジでやれればと考えております。
 また、さらに発展させてWild Bunchオリジナルの楽曲をやることを目標に頑張りたいと思います。


 意見が大きく割れるという事も無いかと思いますが、当初しばらくの間は、僭越ながら私小野が舵取りをさせて頂きます。
 皆様独自の意見考え等あるかと存じますが、和をもって尊しという事でご協力のほど宜しくお願いいたします。



 今回の配信内容は、小野が独断で記したものなので、問題等御座いましたら、遠慮なく言って下さい。

 では、夢はオリジナル楽曲のチャート入り!とでっかく参りましょう。


 始まり始まりぃ〜〜〜。

[参考画像]
:好きにならずにいられない
:twist and shout
:somothing


2007年05月17日(木)
★ワイルドバンチ通信★
 こんにちは小野です。

 なんとなく始まりそうな気配が漂ってきたバンド【Wild Bunch】ですが、皆様方に置かれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 さて、いきなりではありますが、明17日(木)顔合わせの飲み会を開催いたします。ほんとにいきなりなので皆さん予定が立たないかもしれませんが、途中からでもなるべく顔を出してください。


場所 自由が丘L

時間 午後8時〜午後10時くらい

会費 未定(そんなに高くはなりません)

 万障お繰り合わせお願い致します。
 尚、時間後でも顔を出せる方は連絡を入れてみてください。

 皆都合が付かないかもしれないと思いつつ昨日、いきなり、急遽配信されたワイルドバンチ通信。
 最悪俺一人で自由が丘Lのカウンターで飲んで帰ることになるかもしれないな、と思いつつ送ったワイルドバンチ通信。しかし・・・・・・・。

 奇跡だ!
 全員揃った。
 皆社会人として立派に正業に付く人間が、ホントに万障繰り合わせて揃った!!
(おーぃ、おーぃ、おーぃ。みんな、やる気あるんじゃないのぉーっ!)

 カウンター横一列に揃った皆の横顔は、頼もしく輝いていた。
 その光景は、アメリカのどっかにある大統領の顔が並んだ谷の風景とダブった。


2007年05月26日(土)
 5月26日(土) 12時〜14時。

 遂にその時は来た。
 初練習。

 ちなみに、Maはかつてバンド活動の経験がある。
 Yoは、ホワイトスネークというバンドのコピーを中心に活動をする"Ta"というバンドのべーシスト。
 Waは、音楽で生計を立てているプロフェッショナル。
 Ni は、かつてビアガーデンでライブをやっていた経験がある。

 そうそうたるメンバーだ。

 俺は、というと・・・・・・・未経験、初心者・・・・・カ・・・カラオケ・・・を・・・・少々。。。。
 今更ながら、どーーーーーーーしよぉ。

(皆の足を引っ張らないようにせねば・・・・)
(ほんとに俺如きが歌っていいのだろうか)
(いいよ、やるしかないだろ)
(俺は、エルビスだ)
(俺は、エルビスだ)
(俺は、エルビス・プレスリーーーー)


 スタジオ入りした初心者の俺は、みなが色々準備をしている横で、
「今日は、強力な助っ人が来ているんだ、ふふふ」
おもむろにバッグから、ビデオカメラを取り出しセット。
(帰ってからこれを見て復習しなくてはな)
しかし、この助っ人来ている発言とカメラセッティング行為は、皆の期待を大きく裏切ったようだ。
(何かいけないこと言ったかしら、ワシ・・・)

「あーーーYo、マイクってどこにあるの?」
自分のセッティングにいそがしいYoは、それでも優しく、
「受付に行って借りてきてください」
「ぁ、ここにはないんだ」
「えぇ」
「受付ね、受付。受付に行くんだ・・・。・・・・何本?」
「えぇと、3本お願いします」
 受付の人は、俺がマイク貸してくれといったらなんていうのだろう。
 不機嫌そうに、
「はぁ?―――マイク?・・・・何本?―――3本?―――2本でいいんじゃないのぉ」
なんて言われたら、どーしよう。

 しかし、幸いにも受付のオネーちゃんは優しかった。

「あーーーYo、これってどーやって繋げるの?」
「これはデスね・・・・・こうやって・・・・・こうやって・・・・・スイッチをオンにして・・・・・こうやって・・・・・」
「こういうのって全部自分でやるモンなんだ」
「ええ、次からは自分でお願いします」
「・・・・・・はい」


「では参りましょう」
俺の声がけでNiのドラムから"Something"一発。
 イーじゃん、イーじゃん。

 続いて”Can't Help Fallin' In Love With You"。
 イーじゃん、イーじゃん。

 休憩してから”Twist And Shout"。
 えんでねぇの、えんでねぇの。


 完璧なバック演奏の中、俺だけが下手糞で、
「小野さぁん、なんとかならないの、困るなぁ」
と言われる悪夢にうなされる日々を過ごしてきたが、皆とあわせて音楽を奏でる楽しさに、悪夢はすっ飛んだ。

 文字通り音を楽しむ。

 スタジオの入り口のライトが、断続的にフラッシュを始める。
 なんだ?
 空襲警報か?
 ・・・・・終わりの合図なんだと・・・・さ。

 あっという間の2時間。
 次回が楽しみだ。


 家に帰ってから再生したビデオ。
 そこに映っていたのは、エルビス・プレスリーでは無く、嬉しそうにはしゃいでガナリ立てる変なオヤジだった。


2007年05月31日(木)
★ワイルドバンチ通信★
 こんにちは小野です。
 皆様お仕事ご苦労様です。
 私は本日定休日なので、飲みすぎないよう気を付けます。

 初回の練習は楽しめたでしょうか?
 私は大変楽しかったであります。

 さて、前回課題曲をもう2曲ばかり増やそうと言う提案が御座いました。
 テンポのいい曲と言う事で、小野が独断と偏見で選ばせて頂きました。

Suspicious Minds(エルビス)
Rock And Roll Music(ビートルズ版)

 以上2曲を追加課題曲と言う事で、進めたいと思います。

 Niさん、お忙しいところ済みませんが楽譜の配布をお願い致します。

 では皆様、今日も無事故、健康で一日をお過ごしくださいませ。

 課題曲を増やすと言う暴挙か愚挙か、はたまた快挙か!?
 追いついていくのが、やっとかもしれない・・・・・。

 しかしナンだな、風邪を引いて喉がガラガラだった時に、発声練習なんぞいうモノをやったら一発で喉が嗄れた。
 普段使う音域では多少発声をしていたので大丈夫だったものの、私にとっては高音の高いソとかラなんて所を出そうとしたらあっという間に声ががらがらになった。
 そして喉の嗄れが直らないのに歌うから、全然直らない。風邪もどこかの物陰に隠れているような状態で、抜けるわけではない。
 私は、このままハスキーボイスになってしまうのではないだろうか。それもまた良しか?

 いや、目標はエルビスだぞ。

 よし!声を鍛えてパバロッティになろう!!
 そして、エルビスを歌うのじゃぁ。

 よし、今日からワシのミュージシャン・ネームは、【えるびす・ぱばろってぃ】だ。
 ・・・いや・・・・やっぱり・・これは・・・・・・・止めとこう。


[参考画像] :Rock And Roll Music・元祖とEtta
:Rock And Roll Music・ビートルズ
:Rock And Roll Music・ビーチボーイズ
:Suspcious Mind
:Suspcious Mind・ラスベガス

2007年07月01日(日)
 本日は第2回目の練習。
 Oo氏新規加入、キーボード担当。ま、創設メンバー一人増えると言って問題は無いだろう。
 音楽関係の仕事をしている人物なので心強いばかり。

 !!

 てことはWaも音楽関係の仕事従事者だから、もしかして・・・・・・・うちらのバンドには・・・・・・・・・プロが二人もいるのか!!!

 イカーーーーーーん!
 ますます持って、俺のヴォーカルのレベルの低さが際立ってしまう!
 いやーー、これは大変なことだ。
 早速発声練習アッ、アッ、アーーーーーーーッ。
 今更やっても・お・そ・い・!・・・・テカ?・・・・やらないより・・・・・・ましだろ・・・・・・・テカ?

 まあ、兎に角、地道に、一生懸命、頑張るしか、無い・・・な。


 てなわけで、増強されたメンバーで稽古稽古。

 まずは、前回の復習。
「twist & shout」
「something」
「can't help fallin' love」
イーじゃん、イーじゃん。

 続いて、新課題曲、
「suspicious minds」
「rock 'n' roll miusic」
イーじゃん、イーじゃん、イーじゃん。

 イーじゃん、イーじゃん、イーじゃん・・・・・・・・バックが・・・・・・・。

 この一ヶ月で完璧に鍛え上げた、俺のパバロッティ・ヴォイスはいとも簡単に嗄れた。
 脳の血管が3本ほど切れた。しかし救急車を呼ぶほどでは無く2分で自然治癒。
 血管が切れたため数を数える能力に30分ほど影響が出た。リズムが取れない。

 ひょっとして、俺って音痴!
 イカン!!
 しかし、ナメルナヨ!!!
 俺は、心の中で呪文を唱えた。

(俺はエルビスだ)
(俺はエルビスだ)
(俺は、エルビス・プレスリーーーーーーーーー)
 オーーーッと!するとどうだろう、・・・・・・・・・・・・俺の気分は変わった!!
 しかし、・・・残念ながら・・物理的変化は何も起こっていないようだ。

 ケッ、俺もマダマダだな。


 地道に精進する事を誓います。

2007年08月
「おじさん老い易く音楽鳴り難し」

 ま、40過ぎのおじさんは、我がままで、ガンコで、協調性に欠けて困りますなぁ。
 酒と言うものも、ある時は潤滑油となりますが、飲みすぎると無責任発言、無責任行動、勘違い、記憶の分断等引き起こしまして困りますなぁ。

 私は、バンド解散を宣言したのでありますよ。
 何があってもやり続ける意気込みだったのですが、事ここに到って修復不能と判断したのです。

 敢えて、原因の究明、責任の所在の追求、事実の羅列等をここでは行いません。
 ただ一つだけ挙げるとすれば、私の「求心力」不足です。 
 私の力不足と言う事でバンド及び周辺の皆様には、ご迷惑をお掛けいたしました。

 と言う事でバンド、
「Wild Bunch」
 一先ず解散いたします。

 応援して頂いた方々には、誠に申し訳御座いませんでした。
 もし、活動が再開されるような事がありましたら、また宜しくお願い致します。

 では、その日まで。



 なお、小野明良の「エルビスへの道」は、後日倉庫に格納されます。


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